納骨堂とは?納骨堂の種類やメリット・デメリットを解説します

近年、「お墓の承継者がいない」「費用を抑えたい」といった理由から、納骨堂という新しい供養の形を選ぶ方が増えています。納骨堂は、遺骨を屋内の施設に収蔵する形式で、都市部でもアクセスしやすいのが特徴です。

本記事では納骨堂について以下の点を中心に紹介します。

  1. •納骨堂とは
  2. •納骨堂のメリットとデメリット
  3. •納骨堂が向いている人

納骨堂について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

 

納骨堂とは

納骨堂とは、故人の遺骨を骨壺のまま安置するために設けられた屋内型の施設です。運営主体は寺院や自治体、宗教法人などに分かれ、寺院運営の納骨堂でも檀家加入を求めない施設が多いようです。

個人用や夫婦用など、さまざまな単位で利用でき、建物の中に多数の収蔵スペースを備えている点が特徴です。屋外に墓石を建てる従来のお墓とは異なり、土地を広く必要としないため、駅近や市街地などアクセスのいい場所に設けられるケースが多く、都市部を中心に人気が高まっています。

本来は、お墓を建立するまでのあいだ寺院が一時的に遺骨を預かるための施設でしたが、現在はお墓の代わりとして恒常的に利用するケースが増えています。ニーズの多様化に伴い、33回忌など、一定期間で合祀墓に移すタイプもあります。

 

●一般墓との違い

納骨堂と一般墓はいずれも遺骨を供養するための場所ですが、安置方法や費用、管理の仕組みに明確な違いがあります。

もっとも大きな違いは、屋外か屋内かという点です。一般墓は屋外の墓地に墓石を建て、地中のカロートに遺骨を納めます。家族代々で利用する前提のため、継承者が管理を続ける必要があります。

一方、納骨堂は建物内に設けられた収納スペースに骨壺を安置する形式で、種類も多彩です。費用面も一般墓は永代使用料と石材工事費が必要となるのに対し、納骨堂では永代供養料を含めたセット料金が多く、将来的な管理を施設側に任せられるメリットがあります。

 

●永代供養との違い

納骨堂と永代供養はよく混同されますが、場所と仕組みという点で明確に役割が異なります。納骨堂は、遺骨を骨壺のまま安置するための屋内施設で、さまざまな収納形式を備えています。

一方で永代供養は、寺院や霊園が家族に代わって遺骨の管理や供養を続けるサービスのことで、形のある施設そのものを指すわけではありません。

理解しやすいように整理すると、次のように区別できます。

  1. •納骨堂:遺骨を保管する建物やスペース
  2. •永代供養:遺骨の管理や供養を行う仕組み

現在は永代供養付き納骨堂も増えているため、一体のものとして扱われることがありますが、永代供養が付かない納骨堂も存在します。また、永代供養は合祀墓や樹木葬など多様な埋葬方法に導入できるため、納骨堂だけに限られた仕組みではありません。

 

納骨堂の主な種類と特徴

ここでは、納骨堂の主な種類をタイプ別にご紹介します。

 

●ロッカー式

ロッカー式納骨堂は、同じ大きさの納骨壇が整然と並ぶタイプの納骨堂です。外観がコインロッカーに似ており、扉の奥に骨壺を個別に安置する構造になっています。

参拝時に扉を開ける形式と、前面に設けられたご本尊に手を合わせる形式の2種類があり、施設によって参拝方法が異なります。

主な特徴は次のとおりです。

【シンプルな構造で費用を抑えやすい】

納骨堂の中でも比較的リーズナブルで、初期費用を抑えたい方におすすめです。

【一時安置として利用されることも多い】

昔からある形式のため、お墓を建てるまでの保管場所として利用されるケースが目立ちます。

【参拝ルールが設けられやすい】

供花や供物、生花の持ち込みを禁止している施設が多く、焼香も共同スペースで行う形が一般的です。

一方で、段によっては参拝しにくい位置がある、見た目にこだわる方には物足りないなどのデメリットもあります。シンプルさと費用面の優位性を重視する人に適したタイプといえるでしょう。

 

●仏壇式

仏壇式納骨堂は、契約区画ごとに仏壇が備えられ、上段に仏壇、下段に遺骨を収蔵するスペースを設けたタイプの納骨堂です。

霊廟と呼ばれることもあり、自宅の仏壇と同じように位牌や遺影、生花やお供え物を飾って手を合わせられる点が大きな特徴です。

ロッカー式よりスペースが広く、家族単位で利用しやすい形式として人気があります。

主な特徴は次のとおりです。

【仏壇前で従来の供養ができる】

線香やローソク、供物などを備え、親しみやすい供養スタイルを継承できます。

【家族代々の利用に向く広さ】

複数の遺骨を納めやすく、先祖代々の仏壇として利用できる施設も多いタイプです。

【見栄えが良く華やか】

内部装飾が施されており、宗教的な雰囲気を重視したい方に適しています。

一方で、費用はほかよりも高くなる場合があり、宗派によって契約できない可能性がある点は注意が必要です。

また、管理は施設側が行うものの、仏壇内部の簡単な拭き掃除は利用者が行うケースもあります。従来の仏壇に近い供養を望む方に合った納骨堂といえるでしょう。

 

●位牌式

位牌式納骨堂は、戒名や没年月日が記された位牌を供養の中心に据えるタイプで、参拝スペースに位牌が並ぶ形式が特徴です。

位牌を個人スペースの象徴として設置し、遺骨は別の収蔵場所に安置する施設と、位牌と骨壺を同じ区画にまとめて祀る施設の2パターンがあります。寺院の本堂で受け入れられているケースも多く、昔ながらの供養スタイルに近い点が魅力です。

主な特徴は次のとおりです。

【費用を抑えやすい】

納骨堂の中でも費用が比較的安く、仏壇を購入する必要がない点もメリットです。

【位牌が供養の中心となる】

合同の参拝棚に位牌が並ぶため、個別参拝ができない施設もあります。

【遺骨と位牌の配置は施設で異なる】

遺骨を確認できないタイプもあるため、事前の確認が重要です。

一方で、他家の位牌と並ぶためプライベート感が少ないことや、新たに位牌を作り直す必要が生じる場合もあります。遺骨と位牌が必ずしも同じ場所にある必要がない方や、費用を抑えたい方に向いた納骨堂といえるでしょう。

 

●自動搬送式

自動搬送式納骨堂は、コンピューター制御によって遺骨を個別の参拝スペースへ自動的に運ぶ、現代的なタイプの納骨堂です。マンション型やビル型とも呼ばれ、納骨スペースと参拝スペースを完全に分離している点が特徴です。

参拝者は専用のICカード(マスターカード)をかざすだけで遺骨が搬送され、プライバシーが確保されたブースでゆっくり手を合わせられます。

主な特徴は以下のとおりです。

【最新設備によるスムーズな参拝】

電子線香の採用や自動搬送システムにより、衛生的で快適に参拝できます。

【セキュリティ性が高い】

ICカードで管理され、不審者が立ち入れない仕組みが整っています。

【アクセスがいい】

土地を広く必要としないため、駅近のビル内に設置されることが多い形式です。

一方で、機械式であるがゆえに停電時の利用制限や、混雑時の順番待ちが発生するなどのデメリットもあります。また費用はほかのタイプより高めですが、プライバシーや利便性を重視したい方に適した納骨堂といえます。

 

●墓石式

墓石式納骨堂は、屋内に墓石を設置して供養するタイプの納骨堂で、堂内墓所や屋内霊園と呼ばれることもあります。外観や参拝のスタイルは一般墓に近いものの、建物内に設けられているため、雨風の影響を受けず快適に参拝できる点が大きな特徴です。

屋外墓のように雑草対策や墓石洗浄が不要で、維持管理の手間を大幅に減らせることから、都市部を中心に人気が高まっています。

主な特徴としては次の点が挙げられます。

【一般墓に近い形で供養できる】

墓石の前で手を合わせられるため、伝統的なスタイルを大切にしたい方に向いています。

【屋内で管理されるため清潔】

汚れや劣化の心配が少なく、掃除の負担も軽いのがメリットです。

【家族墓として利用しやすい】

複数の遺骨を収蔵でき、個別の法要スペースを備えた施設もあります。

一方で、一般墓と同じく将来的に墓じまいが必要となること、屋内墓であっても費用が高額になりやすい点は注意が必要です。

利便性と伝統的な供養の双方を重視したい方に適したタイプといえるでしょう。

 

納骨堂の費用相場

納骨堂の費用相場は、一般的に約20万円〜180万円程度+年間管理料がかかります。費用はタイプや収蔵人数、立地、供養方法によって大きく変わるため、事前の比較が重要です。

一般墓が100万〜350万円ほど必要になることを考えると、納骨堂は比較的費用を抑えやすい供養方法といえるでしょう。

主な種類ごとの相場は次のとおりです。

  1. •位牌型:約10万円以上
  2. •ロッカー型:約20万円〜80万円
  3. •仏壇型:約30万円〜150万円
  4. •自動搬送式(ビル型):約50万円〜150万円
  5. •墓石型:約50万円〜100万円以上

また、一人用は40万円前後、夫婦用は約60万〜80万円、家族用は100万円ほどが目安です。戒名料や仏具費などが追加となる場合もあるため、総額で確認しておくことが大切です。

 

納骨堂のメリット

一般的なお墓とは異なる点が多い納骨堂ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で解説します。

 

●一般的なお墓よりも費用が抑えられる

納骨堂の大きな利点のひとつが、一般墓に比べて費用負担を軽減できる点です。一般墓を建立する場合は、墓石代や永代使用料、管理費などが必要となり、総額が100万〜350万円ほどにのぼることも珍しくありません。

一方で納骨堂は、墓石を建てる必要がなく、利用区画を確保するだけで済むため、費用を大幅に抑えられます。

種類による差はあるものの、位牌式なら約10万〜20万円、ロッカー式は約15万〜100万円程度が中心で、個人用の多くは50万円前後、家族用でも100万円程度が目安です。

また、合葬タイプではさらに低価格で利用できる場合があります。こうした点から、負担を抑えつつ供養したい方にとって、納骨堂は魅力的な選択肢といえるでしょう。

 

●天候に左右されない

納骨堂は屋内に遺骨を収蔵するため、季節や天候に左右されずにお墓参りができる点が大きな魅力です。

一般墓は、雨や雪、強風の日や気温差が厳しい時期には参拝をためらってしまうこともありますが、納骨堂なら空調設備が整っており、暑い日も寒い日も快適な環境で手を合わせられます。

また、多くの施設はバリアフリー設計やエレベーター、休憩スペースを備えており、高齢の方や体が不自由な方でも安心して利用できます。さらに、広い土地を必要としないため、駅近や市街地などアクセスの良い場所に建てられているケースが多いことも特徴です。

車がなくても電車やバスで気軽に訪れやすく、思い立った時にいつでも参拝できる利便性も、納骨堂ならではのメリットといえるでしょう。

 

●墓掃除など管理の手間が省ける

納骨堂は建物内にあるため、一般墓のように雨風を受けることがなく、墓石磨きや雑草取りといった負担の大きい作業がほとんど必要ありません

屋外墓では、季節ごとの草むしりや掃除を怠ると荒れてしまい、見た目だけでなく周囲への迷惑にもつながりますが、納骨堂ならその心配もありません。

また、永代供養付きの施設であれば、参拝者の代わりに管理者が清掃や維持を行ってくれるため、遠方に住んでいる方や高齢で管理が難しくなった方にも適しています。掃除道具を持参する必要がなく、手ぶらで気軽にお参りできる点も魅力です。

 

●承継者や無縁仏の心配がない

納骨堂は、承継者がいない方でも利用できる点が安心につながります。一般墓の場合、墓石の管理や供養を行う家族がいなくなると無縁仏となり、荒廃してしまう恐れがあります。また、承継者がいないとそもそも契約できないケースも少なくありません。

一方で多くの納骨堂は、初期費用の中に永代供養料が含まれており、管理者が継続して供養や管理を行います。個別の安置期間が終了すると、合祀墓へ移して手厚く供養されるため、将来にわたり放置されることがありません。

「家族に迷惑をかけたくない」「自分の代でお墓を終わらせたい」という方にとって、承継を前提としない納骨堂は利用しやすい供養方法といえるでしょう。

 

納骨堂のデメリット

納骨堂にはメリットのほかにも、以下のようなデメリットが挙げられます。

 

●納骨期間やスペースに制限がある

納骨堂は、多くの施設で個別安置期間(契約期間)が設けられている点がデメリットの一つです。一定期間が過ぎると、遺骨は合祀墓へ移され、ほかの方の遺骨とともに納められます。

一度合祀されると取り出すことはできないため、長期的に個別安置を希望する場合は、期限のない納骨堂を選ぶ必要があります。

また、納骨できる人数に制限がある点も注意が必要です。一般墓であれば家族や先祖を代々収蔵できますが、納骨堂は個人用や夫婦用など、少人数向けが中心です。仏壇式を除き継承できない施設も多いため、家族単位で長く使いたい場合には不向きといえるでしょう。

契約前には、収蔵できる遺骨の数と個別安置期間を必ず確認しておくことが大切です。

 

●お墓参りの実感がわきにくい

納骨堂は屋内施設であるため、火災防止や衛生管理の観点から、お供えに制限が設けられている場合が多くあります。

例えば、線香やろうそくなど火を使う供養は禁止されていることが多く、生花や食べ物の供え物も傷みやすさや異臭の問題から制限されることがあります。

そのため、線香の煙に手を合わせたり、故人が好きだった食べ物を供えたりといった、昔ながらの供養ができず、物足りなさを感じる方も少なくありません。

施設によっては電子線香や共有の焼香スペースを設けている場合もありますが、一般墓のような自由度はありません。お墓参りらしさを重視したい方にとって、納骨堂は実感がわきにくい点がデメリットとなるでしょう。

 

納骨堂がおすすめな人

納骨堂は、お墓の継承や管理に不安がある方にとって、負担を減らしながら供養できる選択肢です。

なかでも、以下のような方におすすめです。

【承継者がいない、または負担をかけたくない】

一般墓は管理や掃除を継承者が担う必要がありますが、納骨堂なら施設側が管理してくれるため、無縁仏になる心配がありません。家族に負担をかけたくないという方にも向いています。

【お墓参りの負担を軽くしたい】

駅の近くにある施設が多く、天候に左右されない屋内で参拝できるため、体力に自信がない方や高齢の方でも通いやすいのが特徴です。

【費用を抑えたい】

一般墓は墓石代や土地の永代使用料など高額になりがちですが、納骨堂は比較的費用を抑えやすく、予算に合わせた選択が可能です。

【代々のお墓にこだわらない】

家族全員で入るお墓を必要としない方や、合祀に抵抗がない方にも相性がよい供養方法です。

また、「将来は一般墓を建てたいものの、当面は安置場所を確保したい」という場合の一時的な利用にも適しています。納骨方法の価値観に合わせて柔軟に選べる点が納骨堂の魅力です。

 

まとめ

ここまで納骨堂についてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。

  1. •納骨堂は遺骨を屋内の専用施設に安置する供養方法で、ロッカー式、仏壇式、位牌式、自動搬送式、墓石式など、さまざまな形式があり、屋外の墓地と違い都市部でも利用しやすく、管理は施設側が行う点が特徴
  2. •納骨堂のメリットには費用を抑えやすく、天候に左右されず参拝でき、管理の手間が少ない点が挙げられる。一方、個別安置期間や納骨できる人数に制限があるほか、火を使った供養ができないなど、“お墓参りらしさ”が弱い点がデメリットといえる
  3. •納骨堂は、承継者がいない、管理負担を家族に残したくない、費用を抑えたい方や、屋内で気軽に参拝したい方や、代々のお墓にこだわらない方におすすめの選択肢であり、一時的な安置場所として利用したい場合にも適している

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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