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葬儀の基礎知識|葬儀の役割や種類も併せて解説します

葬儀の基礎知識

大切な方を亡くされた際、悲しみに暮れるなかで、葬儀の準備を進める必要があります。しかし、葬儀が持つ本来の役割や、多様化する葬儀の種類について、悩まれている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、葬儀について以下の点を中心に紹介します。

  1. •葬儀とは
  2. •葬儀の役割について
  3. •葬儀の種類

葬儀に関する基礎知識を身につけ、故人の意向や家族の状況に合った形を選ぶためにも、ご参考いただけますと幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

 

葬儀とは?

葬儀という言葉は、現代では通夜や告別式を含む“お葬式全体”を指すものとして広く使われています。しかし、本来の意味をたどると、より限定的な儀式を示す言葉でした。

宗教や地域によって違いはありますが、ここでは日本で一般的な仏教式を例に説明します。

もともとの葬儀とは、葬送儀礼と呼ばれる一連の流れのなかに位置づけられた、ひとつの中心的な儀式のことでした。家族や親族といった身近な人が集まり、僧侶の読経によって故人を弔う場を指しています。

看取りから納棺、通夜、葬儀、告別式、火葬、納骨、四十九日まで続く一連の工程が「葬送儀礼」であり、葬儀はそのなかの1項目です。

現在では「葬儀=故人を送る一連の儀式」と捉えられることも多く、葬送儀礼全体を短く表す言葉として機能している面もあります。

また、宗教ごとに儀式の内容は異なり、仏教なら読経や焼香、神道では神官による祭詞、キリスト教では祈祷や聖書朗読などが行われます。

一般的には通夜の翌日に執り行われ、1〜3時間ほどの式を終えて出棺、火葬へと進み、その後に繰り上げ初七日法要が続くケースが一般的です。

以上のように、葬儀は言葉本来の意味と現在の使われ方が異なる特徴をもつと言えるでしょう。

 

通夜や告別式について

故人を送る一連の儀式には、葬儀のほかにもお通夜や告別式があります。以下で詳しく解説します。

 

●通夜とは

お通夜は、故人と過ごす最後の夜として行われる儀式です。もとは夜を徹して遺体のそばに寄り添い、灯明や線香の火を絶やさず見守ることから「通夜」と呼ばれるようになりました。

こうした夜通しの見守りは夜伽(よとぎ)とも呼ばれ、古くは家族が亡くなった後も食事を供える殯(もがり)という古来の風習が形を変えたものだともいわれています。

かつては、亡くなった当日に親族だけで静かに過ごす「仮通夜」と、翌日に弔問客を迎える「本通夜」に分かれていました。

しかし、現在は仮通夜をせず、葬儀社の安置室で過ごすケースも増えています。そのため、お通夜は故人が亡くなった翌日の18時頃から始まり、1〜2時間程度で終える「半通夜」が主流のようです。

 

●告別式とは

告別式は、故人との最終的なお別れをするための式典であり、参列者が故人に敬意を示す大切な場です。宗派によって内容は異なりますが、読経や焼香のほか、棺に花を手向ける花入れの儀、弔電・弔辞の奉読などが行われます。

こうした一連の儀式を通して、遺族だけでなく友人や知人など多くの人が故人に感謝を伝え、旅立ちを見送ります。

もともと葬儀と告別式は役割が異なり、葬儀は僧侶による宗教的儀礼を中心とした供養の場、告別式は社会的な別れを示す場として位置づけられてきました。

しかし、近年では両者が同じ流れのなかで行われることが一般的になり、葬儀・告別式とまとめて扱われるケースが多く見られます。

また、告別式は通常、葬儀の終了後に続けて執り行われるため、はっきりした区切りがないのも特徴です。最後に棺を閉じ、出棺へと進むまでが告別式の流れであり、この時間を通して参列者は故人と静かにお別れを交わします。

 

葬儀の5つの役割

葬儀は、故人を送り出すだけでなく、さまざまな目的を持つ重要な儀礼です。

ここでは、葬儀が果たす5つの役割を整理して紹介します。

 

●社会的役割

人間は生涯を通じて多くの人と関わり、そのつながりの中で生きています。葬儀には、こうした人々に「死」を正式に知らせるという役割があります。行政への死亡届の提出もこの一環であり、かつては跡継ぎを示す場として機能していた時期もありました。

 

●物理的役割

遺体は時間とともに変化していくため、尊厳を保つ形で埋葬・火葬などの処置を施す必要があります。遺体を葬る行為は、故人との別れを象徴する意味も持っています。

 

●心理的役割

突然の死をすぐに受け入れることは困難です。通夜、葬儀・告別式、法要へと続く葬送の過程を経て、遺族は徐々に悲しみと向き合い、現実を受容していきます。葬儀は、遺された人の心の回復を促す大切なプロセスでもあります。

 

●教育的役割

葬儀は、命の重みを考える機会にもなります。死に立ち会うことで、生きることの価値や自分の在り方を見つめ直すきっかけにもなり得ます。

 

●宗教的役割

葬儀は本来、葬送儀礼と呼ばれる一連の宗教的儀式の一部を指す言葉です。宗旨宗派に沿って、臨終後の清め、通夜、葬儀・告別式、火葬と続く儀礼をすることで、故人を弔い、心の痛みに寄り添う役割も果たします。

葬儀は以上の5つが重なり合い、故人と遺族双方にとっての役割を担っています。

 

葬儀の種類

ここでは、多様化する葬儀の種類についてご紹介します。

 

●一般葬

一般葬とは、家族や親族だけでなく、友人や知人、仕事関係者、近隣の方など、故人とつながりのあった多くの人が参列する従来型の葬儀です。家族葬が広まったことで、従来の大規模なお葬式を区別する意味で「一般葬」という名称が使われるようになったともいわれています。

参列者数は30〜100名ほどになる場合が多く、葬儀形式のなかでも規模が大きくなる傾向があります。

一般葬は、まず初日に通夜をし翌日に葬儀と告別式、続いて火葬という二日間の流れが基本です。通夜では故人との最後の夜を過ごし、翌日の儀式で正式にお別れをします。人数が多いため、式場は公営斎場や民営斎場、寺院など広めの会場を選ぶ必要があります。

一般葬の良い点は、多くの人が故人に別れを告げられること、そして昔ながらの習慣に沿った形で式を進められることです。一方で、参列者が増えるほど会場費や飲食、返礼品などの費用がかさみやすく、遺族の準備や来客対応の負担も大きくなります。

幅広い人々と最期の別れをしっかりと行いたいときに選ばれる葬儀形式といえるでしょう。

 

●家族葬

家族葬は、家族や親族、故人と特に親しかった友人など、ごく限られた人だけで行う小規模な葬儀形式です。通夜から葬儀と告別式、火葬までの流れ自体は一般葬と同じですが、参列者は5〜30名程度と少なく、静かな雰囲気のなかで故人を見送れる点が大きな特徴です。

「家族葬」という名称から家族のみの儀式と誤解されることもありますが、参列者の範囲は状況に応じて柔軟に決められます。

少人数で執り行うため、対応に追われることが少なく、遺族は故人と向き合う時間をゆっくり確保できます。規模が小さい分、飲食費や返礼品などの負担も抑えられ、費用面でも選ばれやすい傾向があります。式場も小規模斎場や寺院、自宅など幅広く選択できます。

ただし、参列者を限定することで「呼ばれなかった」人が出る可能性があり、周囲への配慮が必要です。また、人数が少ない分、香典収入が一般葬より少なく、結果的に自己負担が増えるケースもあります。

身近な人たちだけで穏やかな時間を過ごしたい場合に適した葬儀スタイルといえるでしょう。

 

●一日葬

一日葬は、通夜をせず葬儀と告別式から火葬までを一日で完結させる葬儀形式です。一般葬や家族葬が二日間かけて実施されるのに対し、一日で執り行うため、喪主や遺族の負担を軽減したい場合や、参列者の予定調整が難しい場合に選ばれることが多いようです。

参列者が限られることも多く、比較的小規模な式になる傾向があります。

ただし、葬儀が一日で終わるとはいえ、火葬は死亡後24時間以上経過しなければ行えないため、事前にご遺体の安置場所を確保しておく必要があります。自宅で安置できない場合は、安置施設のある斎場や葬儀場を選ぶことが重要です。

一日葬には、費用を抑えやすい、遠方の親族が宿泊せずに参列できるなどの利点があります。一方で、通夜がない分だけ故人と過ごす時間が短くなり、物足りなさを感じる人がいるかもしれません。

また、菩提寺がある場合は、宗教的な理由で一日葬を認めないこともあるため、事前の相談が欠かせません。

体力的や時間的な負担を抑え、落ち着いて見送りたい場合に適した葬儀スタイルといえるでしょう。

 

●直葬(火葬)

直葬(火葬式)は、通夜や葬儀、告別式といった儀式をせず、火葬のみで見送るシンプルな葬儀形式です。一般的に参列者は招かず、家族やごく近しい人だけが火葬場に集まり、短いお別れの後、そのまま火葬へ進みます。

全体の所要時間は2時間ほどで、ほかの葬儀スタイルと比べて短いことが特徴です。

火葬までの手続きや火葬場の手配、ご遺体の搬送は葬儀社が担うため、まずは相談することが重要です。ご遺体は火葬まで自宅または安置施設で保管する必要があり、自宅での安置が難しい場合は、安置室のある斎場や施設を利用します。

直葬の大きな利点は、費用を大幅に抑えられる点にあります。会場費や飲食、返礼品などが不要で、必要最低限の費用のみで行えるため、経済的な理由や故人の意向で選ばれることが増えています。体力的、時間的負担が少ないこともメリットです。

一方で、通夜や告別式がない分、故人と過ごす時間が短く、心残りが生まれる可能性があります。また、宗教的な儀式を省くため、菩提寺によっては許可を得られないこともあります。選択する際は、家族や親族、寺院とも十分に話し合うことが大切です。

 

●その他

現代では、一般葬や家族葬などの基本的な形式以外にも、故人の状況や遺族の考え方に合わせて、さまざまな葬儀スタイルが存在します。

例えば、宗教的なしきたりにとらわれず告別式のみの「自由葬」は、無宗教の方や形式よりも故人らしさを大切にしたい遺族に選ばれることが多く、ホテルなどで開催されるケースもあります。

また、企業の創業者や役員など、社会的功績を持つ方が亡くなった場合には、会社が主体となって行う「社葬」が実施されます。社葬の前には、家族や親しい人だけで執り行う「密葬」を先に行うのが一般的です。

地域によっては、火葬を先に行い、遺骨を前に葬儀を進める「骨葬(前火葬)」が選ばれることがあります。遺体の状態や搬送の事情により用いられる形式ですが、故人の顔を見てお別れできない点は注意が必要です。

さらに、遺骨を自然へ還す「自然葬」も注目されています。樹木葬や海洋葬、散骨、宇宙葬などがあり、宗派や墓地に縛られず葬送できる一方、比較的新しい形式であるため、家族間や場合によっては周囲の十分な理解が欠かせません。

以上のように、多様な葬儀スタイルが広がり、現代では故人や遺族の価値観に合わせた柔軟な選択がとられるようになっています。

 

まとめ

ここまで葬儀についてお伝えしてきました。本記事の要点をまとめると以下の通りです。

  1. •葬儀とは、本来は僧侶による宗教儀礼を中心とした供養の儀式である。現在は通夜から告別式、火葬までを含む一連の儀式全体を指すことが多く、通夜は故人と過ごす最後の夜、告別式は参列者が正式にお別れをする場である
  2. •葬儀には、死を社会に知らせる社会的役割、遺体を丁重に扱う物理的役割、悲しみと向き合う心理的役割、命の尊さを考える教育的役割、宗教的儀礼をする宗教的役割の5つがある
  3. •葬儀は、多くの人が参列する一般葬、少人数で行う家族葬、通夜を省く一日葬、火葬のみの直葬(火葬式)などがあるほか、自由葬や社葬、骨葬、自然葬など、さまざまな形式が増えてきている

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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